妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援について
<産後ケア事業の全国展開等について>
産後ケア事業を母子保健法に位置付け、市町村が当該事業の実施に努めることを規定した「母子保健法の一部を改正する法律」(令和元年法律第69号)及び産後ケア事業の実施基準等を規定した「母子保健法施行規則の一部を改正する省令」(令和2年厚生労働省令第149号)が、2021(令和3)年4月1日から施行予定である。
厚生労働省においては、本法律の施行に向けて「産前・産後サポート事業ガイドライン及び産後ケア事業ガイドライン」を改定しているので、各都道府県におかれてもご承知いただくとともに、引き続き管内市町村への周知をお願いしたい。また、地域の実情に応じた産後ケア事業の取組状況について、現在、子ども子育て支援推進調査研究事業において事例集を作成しているところであり、結果については、改めて各自治体宛に連絡するので、参考としていただきたい。
2021(令和3)年度予算案においては、2024(令和6)年度末までの産後ケア事業の全国展開に向けて、十分な予算を確保しているほか、次世代育成支援対策施設整備交付金においても、産後ケア事業を実施する施設に対する整備費の補助を計上しているため、積極的な活用をお願いしたい。
<子育て世代包括支援センターの体制強化について>
子育て世代包括支援センターでは、地域のつながりの希薄化等により、妊産婦等の孤立感や負担感が高まっている中、妊娠期から子育て期までの支援を切れ目なく提供するために相談支援等を行うこととしている。2020(令和2)年4月1日時点で1,288市区町村(2,052か所)に設置されており、2020(令和2)年度末までの全国展開を目指して整備を進めていくこととしている。
子育て世代包括支援センターの設置は、市町村の努力義務として母子保健法上、位置づけられているところである(法律上の名称は「母子健康包括支援センター」)。
各市町村におかれては、開設準備経費の補助や、市町村間での共同実施に係る補助も活用いただき、2019(令和元)年9月にお示しした子育て世代包括支援センター事例集を参照の上、地域の実情に応じた積極的な取組をお願いしたい。
また、2021(令和3年)度予算案においては、今般の新型コロナウイルス感染症の状況により、不安を抱える妊産婦や家庭がある中で、誰もがより安心・安全な子育て環境を整えるため、新型コロナウイルス感染症に不安を抱える妊産婦、特定妊婦や、産後うつ、障害がある方への対応といった多様なニーズに対応できるよう、社会福祉士、精神保健福祉士や、その他の専門職を配置することで、相談支援の機能強化を図ることとしている。
各都道府県においても、管内市町村のセンター設置等への支援をお願いしたい。
<産婦健康診査について>
産後うつの予防や新生児への虐待予防等を図る観点から、産後2週間、産後1か月などの出産後間もない時期の産婦に対する健康診査(母体の身体的機能の回復、授乳状況及び精神状態の把握等)に係る補助事業を実施している。
2021(令和3)年度予算案においても、必要な件数を計上したところである。
なお、産婦健康診査事業の実施に当たっては、産後うつへの早期対応を行うため、産後ケア事業を実施することを要件としていることから、産後ケア事業とともに積極的な取り組みをお願いしたい。
<産前・産後サポート事業について>
妊娠出産包括支援事業のうち、「産前・産後サポート事業」については、2021(令和3)年度予算案において、運営に際し必要となる予算を十分計上しているため、積極的な活用をお願いする。
なお、来年度新規メニューとして、新型コロナウイルス感染症の影響による急激な環境の変化のため、家族との関わり方に対する不安や、男性の育児参加の促進に伴って生じる出産・子育てに関して悩む父親に対する支援のため、
・ 父親等による交流会を実施するピアサポート支援や、
・ 急激な環境の変化による父親の産後うつへの相談対応
を実施するための費用の補助を創設した。事業の趣旨を踏まえ、積極的に補助金をご利用いただきたい。
出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000748173.pdf